企業理念
近年、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の採捕量は低水準で、養鰻業者の廃業や養殖ウナギの高価格化が進んでいます。そのため、設立目的にあるように、低価格の人工シラスウナギの量産化が必要となっています。2010年に国立研究開発法人水産研究・教育機構の増養殖研究所が世界初の完全養殖に成功しましたが、生残率の低さや飼育コスト高で実用化には至っていません。大学や民間企業も参入していますが同様です。天然ウナギの資源回復を目指すには、量産化を可能とする完全養殖技術の開発が必須で、弊社は、最大の課題となっている人工シラスウナギの量産化と低価格化を可能とする、初期飼料の開発や飼料に適した養殖装置の開発を目指すことで、日本の食文化の維持に貢献したいと考えています。
代表取締役メッセージ
2020年3月に愛知県立三谷水産高等学校校長を定年退職し、ニホンウナギの完全養殖の基礎研究などを手掛ける株式会社「海みらい研究所」を設立しました。
二ホンウナギは絶滅危惧ⅠB類に掲載され、絶滅の危険性が高い種となっています。近年、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の採捕量は低水準で、養鰻業者の廃業や養殖ウナギの高価格化が進んでおり、天然ウナギの資源回復を目指すには、量産化を可能とする完全養殖技術の開発が急務となっています。弊社は、愛知県蒲郡市に本社のある、医療・眼科機器・コーティング技術に優れた(株)ニデック様よりご支援をいただいて、様々な分野の皆様からのご助力を得て、三谷水産高校と連携しながら、ウナギの完全養殖において最大の課題である、人工シラスウナギの量産化と低価格化を可能とする技術開発を目指して起業しました。起業後3年目からは、(株)ニデック様からの研究支援が途絶えたこともあり、校長時代から研究に取り組んだドローンに関する知見を活かして、中京テレビ放送(株)様のドローン関連事業「そらメディア」や、農業教育関連事業の顧問、教育界と産業界との連携の取組「PHLab推進協議会」の事務局などの業務を行いながら研究を継続しています。
また、高校では初となる、天然ウナギのすみかとなる「石倉かご」を利用した、モニタリング調査による天然ウナギの資源保護活動を、三谷水産高校近くの西田川で実施しました。その取組がきっかけとなり、豊橋市天然うなぎ資源保護再生プロジェクト協議会が始まりました。その協議会は豊橋市が主体となり、弊社や汐川干潟を保全する会、豊橋養鰻漁業協同組合や愛知県立三谷水産高等学校、(株)フタバコーケンなどが参加し、豊橋市の汐川干潟(干潟海域で全国初の実施)で「石倉かごモニタリング調査」を実施しています。その結果、多くの再捕獲ウナギ(最大7回)されたウナギがいることから、干潟海域で定着して生息するウナギの可能性が示唆されています。さらに、銀ウナギ(産卵行動前の成熟ウナギ)の再捕獲に成功したことで、はるかグアム沖まで産卵行動に旅立つウナギの、塩分馴致や栄養補給などの行動形態が示唆されました。汐川干潟におけるモニタリング調査は、令和5年度からは豊橋市立章南中学校が主体となり、九州大学や人間環境大学も加わり、同校の学校行事「環境学習デイ」の取組の一環として実施しています。これらの研究成果は、東京大学で実施された東アジア鰻学会(令和4年3月31日)や、同大学で実施されたウナギに関する公開シンポジウム「うな丼の未来10」(令和5年7月1日)で報告しました。
その他に、企業と高校が連携して商品開発やマーケティング活動等を推進する、「PHLab推進協議会」(事業主体:(株)平松食品)の事務局を担当しています。また、限られたウナギ資源の有効活用を目指して、(株)あつみさんやイチビキ(株)さんと連携して魚醤(ぎょしょう)の開発も行いました。この新商品の開発過程で東三河の高校生から多くのアイデアを募集し、商品名やイメージキャラクターを採用しました。この魚醤については他のページで詳しく説明しています。https://marinefuture-lab.com/service1.html
弊社の研究が、日本人にとって大切なウナギの食文化の継続(SDGs)に少しでも貢献できれば幸いです。
今後ともより一層のご支援をお願い申し上げます。
会社プロフィール
- 社名
- 株式会社海みらい研究所
- 代表取締役
- 丸﨑敏夫
- 本社所在地
- 〒441-8026 愛知県豊橋市羽根井西町6-12‐301
- TEL. 0532-32-7728 FAX. 0532-32-7728
メールアドレス.t-marusaki@nifty.com - TEL. 0532-32-7728 FAX. 0532-32-7728
- 資本金
- 3百万円
- 設立
- 2020年4月1日