「日本人とウナギ」

 日本では120ヵ所以上の縄文・弥生遺跡からウナギの骨が出土しています。川や河口で簡単に漁獲できて、栄養価が高く滋養強壮食品の代表格のウナギは縄文時代から重要な食資源でした。一方、ウナギの血液や粘液にはタンパク質の弱毒(加熱で消失)がありますので、経験を重ねながら比較的早い段階で蒲焼きなどの調理方法が行われていたと考えられます。ここでいう蒲焼き「がま焼き」は現在の蒲焼き「かば焼き」と違い、ウナギをぶつ切りにして串に刺して焼いた姿が、水辺に生えている蒲の穂に似ていることから、「がま焼き」が「かば焼き」に転じたものとされています。

2020年12月21日